日記5月下旬
2004年7月30日(金)
コンプレックスまるだし
 昨日の「みなさんのおかげでした」食わず嫌い王決定戦に女優の鈴木杏さんが出演していた。
 彼女が特別好きなわけでもなく、さして可愛いとも思わなかったのだが、ついつい最後までチャンネルを変えることがなかった。
 それは彼女の芸能人のオーラが極めて強かったからだ。物凄い自信が彼女から感じられたのである。そしてその自信に全く嫌味や場違い感が無いのにも驚かされた。まだ17歳であるにもかかわらず、この大物感はなんだろうか。
 つまるところ彼女は都会人なのである。ぼくは田舎者で、生粋の東京育ちの彼女に圧倒されたにすぎない。少なくとも17歳のときに、彼女のように大人の対応を自然に身につけていた同級生はいなかったし、象徴的な意味で言えばマンゴスチンなる果物を口にした事のある同級生もまたいなかった。もっとも社会人になって東京育ちの大人にも結構会ってきて、鈴木さんのような感じの人がなかなかいないのも事実だが。それでも彼女がぼくのイメージする、「東京の人」そのままで出演したことに、どうにも恐ろしいと言うか、気後れを感じてしまうのである。競演した内藤剛志さんが主演するドラマ「寸劇刑事(すんげきでか)」の語感をからかい、石橋、木梨両氏にあわせて内藤さんのことを「すんげきでか」と呼んだところ、また、それを無駄に引っ張らず適当なところで「内藤さん」と呼び方を変えたところなど、本当に自然に空気を読むセンスは、17歳のそれではなかった。まさに東京の味である。
 さて、鈴木杏さんと対極にいるのが、安倍なつみさんであると言えば、なんとなくこの気持ちが分かっていただけるのかな、と思う。彼女なら恐らく、無駄なところまで内藤さんの事を「すんげきでか」と呼び続けたであろう。当然彼女も東京で(且つ芸能界で)6年以上、多感な時を過ごしているわけで、所謂都会的センスと言ったものもそこら辺の東京生まれの女性よりも身につけてきてはいるのだろう。しかしながらそれはあくまでも「身につけた」ものであって、「生まれついた」ものではないから、すぐ地金がみえてしまうのである。真っ先に思い出すのが、ソロデビュー曲「22歳の私」イベント時の自分でチョイスしたという衣装である。あの緑のテラテラの衣装こそが、彼女を理解するアイテムである。そして彼女のその隙こそが、彼女の最大の武器である笑顔を、更に魅力的に見せる。
 ちなみに、同じく彼女が田舎者であるということを象徴的に表すところの「北海道弁」を使った場面で、一つ忘れられないものがある。去年の五月のフジテレビ「F2」のインタビューで、健康のために玄米ご飯を炊いていると話していたときに「ちゃんと玄米は前日に”うるかして”・・・」と言ったのである。「うるかして」。浸漬してというほどの意味の「北海道弁」だが、彼女が北海道に「暮らして(生活して)」いたということを、これ程までに実感させられたことはない。これも彼女の「地金」である。メッキよりも地金の方が美しい場合もある。

 大山加奈さんと鈴木杏さんは似ていない。断じて。
2004年7月28日(水)
もう止めたら?

 TV誌「ザテレビジョン」8月6日号『最強の日本選手団注目ポイント12』内の記事「長嶋監督のために・・・野球は金が絶対条件」・・・。
 「FOR THE FLAG」にも辟易するが、こんな記事が掲載される状況にも嫌気が差す。長嶋茂雄さんは何故辞めないのか。オールプロも結構だが全日本で組織だった練習をする時間も無く、当然組織だった戦略もたてられないだろう。要するに全部付け焼刃と言うことだ。おまけに監督を代行するのが中畑清である。彼に何を期待しろと言うのか(彼の巨人コーチ時の不行跡は元巨人駒田さんも語っている)。こんなんで仮に金メダルをとっても喜べるのか(米国・韓国も不在である)。野球をオリンピックの種目にすること自体が疑問に思えてくる。

 野球界の未来は明らかに暗いが、女子バレー界の未来はといえば、これは全く分からない。正直余り興味もないのだが。メダルがどうとか、そんなことは全くどうでも良いのである。そもそも先の「FOR THE FLAG」にしろスポーツで国威発揚しなければならない社会というのはどうにも貧しく感じる。
 今回のオリンピックの価値は大山加奈選手を鑑賞することのみにしかない。
 と、言うわけで本日のNHK『クローズアップ現代』アテネオリンピック女子バレーの特集である。それこそ野球全日本には無い戦略・戦術の多様さ、奥深さがある事は分かったのだが、それを見てもバレー競技自体にはそれほど感じ入るものは無い。やはり大山選手にしか視線がいかないのである。しなやかに美しい姿で空中を「舞う」栗原恵選手と、バネ仕掛けで「跳ね上が」って両の足でコートをつかむように着地する大山選手。センスは素人目にでも「違う」ことはわかる。そしてそのパワーの違いも。不器用だがパワーはある。それこそ彼女の華だと思う。妙な器用さは不似合いである。
 それよりも、実はこの番組より、ぼくはその直前のNHKニュース内での「大山選手滋賀県知事訪問」の短い記事(一分数十秒)の方がより大山加奈さんを楽しむことが出来た。スーツ姿の彼女はやはり(その歯並び以外は)非常に整った顔立ちだ。通った鼻筋、奥二重の目は涼しげで、唇も、恐らく前歯のせり出しが無ければ適度なふくよかさを含んだ完璧なものであろう。大きく横に張り出した耳も美しい曲線を描いている。何より肌の白さ。赤みも、目の隈も明快に表すその透明感は、ちょっと比肩する者が無いほどである。その顔が、187cm、82kgの肉体の頂上に位置しているのである。巨躯のいくつかの典型的特徴を備えながら。
 この日も彼女は恐らく170cmは無いであろう滋賀県知事をはじめ、映し出されるどの男性よりも大きかった。過去にも(多分小学生の頃から)何度も経験したであろう場の雰囲気。その都度所謂「偉いおじさん」から送られる視線。それに対する彼女のどことなく焦点の合わない視線。その窮屈さにこそ惹かれる。
 いずれにせよ彼女は今後将棋の大山康晴さん、空手の大山倍達さんとともに「日本三大大山」となって欲しい。康晴・倍達共に斯界の第一人者となられた。大山加奈さんもそうなることを強く期待するものである。

 安倍なつみさんの『モーニング娘。卒業メモリアル』DVDを購入。初見の感想は、今関あきよし監督の才能の素晴らしさについてであった。人格と作品はやはり切り離して考えるべきだ。今関さんの場合は作品と彼の起こした犯罪の内容が絶妙にリンクしているので、やや説得力を欠く嫌いがあるが、それでも素晴らしい映像を見せてくれたことには感謝すべきだと思う。
 全体の内容に関してはもう少し見てから・・・。
2004年7月24日(土)
痛し痒し
 読売巨人軍がパリーグ移籍を検討、という冗談としてもさして面白くない話題。本当に巨人が移籍するかしないかよりも他の11球団の対応の方が興味があるので、具体化しないかな、とも思う。パ・リーグ側が受け入れを表明、なんてことになったら、それこそ彼等は乞食以下の連中である。そしてセ・リーグ5球団が1リーグ制やむなしと方向転換しても同じく乞食以下である。どちらにせよぼくにとっては全く魅力の無いものになる。
 結局今回の件では各球団は、日本プロ野球界の読売独裁に対して今後どの様なスタンスで挑むのか、を、試されていると思う。巨人のおこぼれを涎を垂らしながら狙っている姿をこれ以上はっきり見せてしまったら、各球団のファンもさぞかし興ざめするのではないか。もうすっかり醒めてきているだろうが。
 スポーツと言えばまず野球、と答える世代、と言うのはぼくの世代(昭和40年代後半生まれ)で最後だと思う。巨人独裁が通用する時代でもなかろう。

 文芸春秋の韓国俳優写真集問題。これは文春に商談を持ちかけた韓国のカメラマンが各俳優の許可をとらなかったにも関わらず、文春側には写真掲載に関してそれらをクリアしたとして契約したことで起こった問題のようだ。写真集自体見ていないが、30人の俳優が一様に写真集を出すことをOKした、という時点でおかしいな、と思わないのが不思議だ。例えば日本でSMAPとw-indzと妻夫木聡さん他30人のタレントの写真があるので1冊の写真集にしてくれ、ともちかけられたら、例えそのカメラマンが篠山紀信であったとしても、一応各芸能事務所に問い合わせてみるだろう。
 また、この問題で「韓国みたいな肖像権、著作権無視の海賊版王国にそんなこと主張する資格あるの?」のような意見が聞かれるのにも呆れる。そこで低い方にあわせてどうするのか。それに隣の団地にはたくさんの泥棒が住んでいるから、俺らの団地も多少隣の団地の花壇から球根抜いても良いだろう、というのはさすがに通らないとおもう。

 一昨日からの女子バレー、大山加奈選手がかなり好調で、ぼくとしてはそれほど書く事が無いという、いたしかゆし状態である。いや、活躍する大山さんも魅力的である。特にあからさまな不器用さで力任せにスパイクを打つ彼女のブリキのおもちゃのような姿も素晴らしい。それが決まってクシャクシャを白い印画紙に定着させたような笑顔とガッツポーズでドスドスと喜び駆け回る姿は健気でさえある。しかし、あのジャカルタでの恐怖・不安・怒りがない交ぜになったような表情、不謹慎ながらその表情こそ極上である。多感かつ多汗。
 後は本番を待つばかりの彼女を、のんべんだらりと鑑賞したい。願わくばタイムアウト、コートチェンジも完全ノーカットで。
 その他女子バレー韓国ラウンド雑感。
 栗原恵選手は、この3日間が今までで一番かわいらしく感じた。微熱で目がうるんで、焦点が合っていなかったことが主な理由。それからオレンジのコートの反射が顔にくる時が、彼女が一番映える時、である。典型的なコート美人。
 大友愛22歳。には絶対に見えない。27、8の年増顔である。更に言えば愛人顔・未亡人顔。先日も書いたが喪服に黒ストッキングが似合うタイプ。
 キューバカルデロン選手の美。
 12名の全日本女子チームはどこかの食品工場にいてもおかしくない。そんな印象。

 本日の『ミュージックフェア』はピンクレディーにモーニング娘。。夢の競演。と言うにはいささか時期はずれの感があるか。モーニング娘。のメンバーがモーニング娘。という器(名前)の中に埋没しているような印象。モブシーンなのに皆同じ表情、のような。ダブルユーの存在感だけが際立っていた(モーニング娘の楽曲でも)。
 そのダブルユーは「サウスポー」も良かったが、その良さはミニモニ。的な出来の良さで、新しいダブルユーという商品のプレゼンをしなくて良いのかな、と言う疑問はある。
2004年7月21日(水)
最終回は・・・
 このページ、アクセス解析をしているのだが、同じ方と思われるアクセスがが5分間で10回以上あったりする。多分チラチラと出たり入ったりしながら読んでくださっているのかと思うのだが(いや、ありがたいのだが)、もし突っ込みたいことがおありならば遠慮なく、だけどやさしくメール等でご指摘いただければ幸いである。

 NHK大河『新選組!』のラストは多分函館だと、現地在のぼくは思う。市中を青と白の「新選組カラー」のNHK宣伝電車が走っている。側面には山本耕史さんが土方歳三の扮装をしてデカデカと写っている。JRの列車も同じく。NHK函館の新選組宣伝看板は山本さんだけ別に描かれている。これで函館をラストに持ってこなければ市民の受信料拒否の理由になるだろう。まあ別に現地が盛り上がっているわけではないが。

 笠原和夫さんの自伝『「妖しの民」と生まれきて』を読了。笠原節を堪能。
 驚いたのは、と言うか全く気づかなかったのだが、笠原さんと城山三郎さんが同じ’27年生まれで、海軍特別幹部練習(候補)生の同期であった、というくだり。ぼくはお二人とも好きな作家で、著作を読んだり、映画を見たりし、プロフィールも何度か目にしていたはずだったのに。当然だがお二人の戦争感や昭和と言う時代に対する思いは違うけれども、入隊から敗戦まで数ヶ月間の軍隊体験を通じて、それらに非常なこだわりを待っているのが分かる。海軍自体には二人とも入隊してすぐ失望(絶望)したようだが。
 考えてみれば、ぼくの好きな作家は西村望さんが’26年生まれ、吉村昭さんが笠原、城山さんと同じ’27年生まれで、それぞれ生い立ちは違うものの敗戦時10代の終わりで、世の中が全く変わってしまった人たちだ。4人とも先の大戦や昭和のことについて作品にされていて、それぞれ全く違うスタンスで描いているが、「大きな力」に対する根源的な不信感は、共通して持っているような気がする。そして、それ(戦争だけではない大きなもの)に翻弄される人々に対する視線は4人とも愛情に満ちている。どんなにスケールの大きな作品を書いていても、視点は地べたから、である。本当にこの4人の作家の作品には惹きつけられる。

 大山加奈・未希姉妹のことを書きたいのだが、面倒臭くなったのでまたの機会に。 
2004年7月19日(月)
槍なら
 NHK大河ドラマ『新選組!』。昨日は最も重要な見せ場のひとつ、池田屋騒動であった。ドラマ部分は見る気はなく、殺陣のみ。芹沢暗殺の回の殺陣がなんとも寂しい出来だったので、今回はそれがほんの少しでも好転しているかと見ていたが。
 各人頑張ってるんだろうな、ということだけは伝わるが、その各人が各人とも寂しい。これが中盤のクライマックスであることを考えると寂しすぎる。本当に何で新選組を題材にしたのか分からない出来である。斬人の緊迫感の全くない殺陣であった。
 俳優陣はどの様な気持ちでこの回に挑んだのか。所謂時代劇常連の俳優(松方・里見・杉等)のような流麗な殺陣なのか、それとも全く違うものを目指したのか。いずれにせよそのどちらでもないものを見せてくれたことは間違いない。
 特に香取慎吾さん演じる近藤勇は、隊士中一番弱々しく見えた。とにかく太刀筋が乱れすぎであるし、構えも剣先が不自然にぶれていた。逆説的に真剣の重さを表現しているのか。そういえば池田屋騒動後斬り合いを演じた新選組隊士達の刀は一様に刃こぼれしており、中には折れたり曲がったりして使えなくなったものもあったそうだが、近藤の佩刀「虎徹」のみは刃こぼれ一つなかったと言う逸話があったが、香取さんの近藤ならば二度三度と折れていたのではないか。藤原竜也さんの沖田総司も軽すぎた。確信があるわけではないが、彼の殺陣では高速再生していたような気もする。今回一番良かったのは藤堂平助役の中村勘太郎さん。残心も含め、美しかった。
 また、演出にしても何を意図したのか隊士が斬られるシーンを延々スローにするので画面が間延びして仕方がない。藤堂が額を割られるところもご丁寧にスロー。沖田喀血の活けられた紫陽花が落ちて舞うシーンのCG処理も含め緊張感も、恐らく狙っていたであろう「殺し合い」の恐怖も悲哀も全く描けていなかった。
 その上、個人の見せ場を作るためか隊士が一人で多人数を相手に斬り合いをしていたが、これは逆だろう。複数の隊士が連携を取り合って浪士一人を切り伏せる方がリアリティーがあるような気がする。その様な場面がないとあの峻烈な局中法度をもって綱紀を粛正したり、猛稽古をすることの意味あいが薄くなってしまうのではないか。新選組というのはあくまでも戦闘集団なのだから。
 新選組をやるのに殺陣をおざなりにしてしまってはいくらドラマ部分で新機軸を打ち出そうがどうしようもない。寂しいドラマのいっちょ上がりである。
 山本太郎さんは槍遣いを長門勇さんに教わった方が良い。一刻も早く三十六番所へ。

 性懲りもなく大山加奈さんの話。
 バレーボール自体に一つも興味がないのに書くのもなんな話だが、今まで興味がなかっただけに彼女に関してゼロからネットで調べている。以下バレーを好きな方には周知のことだろうが、調べるにつれぼくは昂ぶっていった。
 彼女、年子の妹がいたのである。しかもバレー選手、同じ高校から同じ社会人チームという経歴である。その上、性格が全く逆で、妹の方は活発、強気とのこと。ご丁寧にも彼女(未希さん)の自己紹介(東レアローズHP)では身長177cm、プレーについてのPRでは「テクニック」との答え、同じHPの姉・加奈さんは身長187cmプレーについては「高さとパワーを生かしたスパイク?(この”?”がまた凄い…。半角表記にしてあるところも念が入っている)」と、真逆も真逆である。しかも姉の方は事あるごとに妹を絶賛する発言をしているようで、その様は半ば妹に”依存”しているようですらある。
 しかも大山加奈さん。幼少期は喘息持ちで体が弱かったと言う。バレーでそれに打ち勝ったという美談。これも「小学校3年生の時に後を追うように入って」来た「妹に負けたくないという気持ちが生まれて、バレーに真剣に取り込むように」なったという妹がらみのおまけがついている(フジテレビスポーツインタビューより)。
 今時、あだち充でも描かないような良く出来た話が、ここにある。
 気の強い妹に何事にもおとなしい姉。
 彼女のあのネガティブな笑顔の源流がなんとなく判ろうというものだ。人に歴史あり、である。彼女が鈍色に輝いているのは決して汗をかいているからだけではない。
 もう満腹だ。オリンピック前なのに。
2004年7月18日(日)
徹底的に
 なんとなく大山加奈さんをサディスティックな視線で見るサイトになってしまっているが、それほど彼女に魅力があるというか素質(?)があるということである。
 そしてまた昨日も彼女はやってくれた。1セット目、いきなりバックアタックを3度連続してミス。1回目、2回目としくじる度に蒼白になる顔。前髪が汗ばんで額にピッタリとくっつく。声を張り上げるたびにその表情が卑屈に歪む。そして3度目。全く空虚な躍動が終わる。もう彼女の緊張の糸は極限を超えて張り詰めていた。それなのにその糸は切れないから、彼女はただただ何の感情も持てないでいる。
 大山さんは前日の試合より早く、1セットを待たずに交代させられた。監督から「3回もミスしやがって」と、叱咤されたらしい。叱咤というよりも罵倒に近かっただろう。しかしその罵倒も、直後に行われたというコーチのフォローも、彼女には届かなかったのではないか。2セット目、コートの外の彼女は全く虚ろであった。見事にゼロである。それにしてもフジテレビ、多分録画であろうが、タイムアウト、セット終了のたびにコマーシャルに入るのはどうか、全く選手達の感情や表情の変化が読み取れないではないか。ぼくは大山さんの姿を追い続けたいからテレビを見ているのである。
 しかしながら、2セット目も終わろうとするとき、ふと映し出された彼女を見て、ぼくは新しい彼女を発見してしまう。
 彼女はあきらかに不貞腐れていたのである。
 試合をはずされた原因は明らかに彼女にあるのに。あの屈辱と自責と不安と居直りが綯い交ぜになった表情。ある種の恍惚。最終セット、アリバイ的に彼女はコートに戻ったが、そんなことはもうどうでも良い。ぼくにとってはあの不貞腐れた表情がこの試合の全てだったのだ。

 インターネット特有の手段で昨日の「ヤンタン」を聞く。安倍なつみさんと後藤真希さんが常態で見ることの出来たモーニング娘。というのはそれだけで特別なグループだったと再認識。
2004年7月16日(金)
弱々しい感じ
 星野仙一さんと阪神タイガースの世渡りの上手さに苦笑を禁じえない。セ・リーグの5球団としては10球団になって対巨人戦が減るよりも、交流戦のほうが対巨人戦の減少が少ないと踏んだのだろう。が、悪いことではない。
 また、王貞治さんが誤解されそうな発言。「(7日の)オーナー会議のときに反対せずに、(後から)右にならえでは、渡辺さんがかわいそうだ。悪者になってしまう」。ナベツネさんは大分前から悪者ではあるのだが、巨人以外のセ球団が陰でコソコソやっているのが「男らしくない」と感じたのではないか。王さん自身、そういう陰湿なことが嫌いな方だから。
 ただ、星野さんのように、一見直情型で、実はひとつの発言を、その重さをきちんと認識し、周到に根回しを行った上で(根拠はないけど)するのと違って、王さんは、脇が甘いのである。王さんのファンにとっては、そこがもどかしくもあり、愛すべき点でもある。なんか王さんファンサイトみたいだが。

 不器用、といえば大山加奈さん。
 今日も五体からその自信のなさを発していた。同期の栗原恵さんの表情が自然で、豊かなのと比べると余計にその「固まり方」の不自然さが目立つ。
 今日も1セット目、素人のぼくが見ても明らかに中途半端な彼女のレシーブが大きくコートから外に出たとき。彼女は更に固まり、笑顔とも泣き顔とも判別がつかない表情を見せる。白い顔がますます蒼白くなる。汗なのか冷や汗なのか、じっとりと顔を光らせる。
 2セット目の最初のタイムアウト時、ベンチに戻る選手たちにタオルやら飲料を配り歩く大きな白い体、大山加奈さんは案の定交代させられてしまった。その表情は居場所のない人間のそれであった。授業の合間の休み時間、一人ぽつんと文庫本を読んでいるような。巨体を心持小さくして誰にも見つからないように姿を隠したがってもいるようにも見えた。敗北感、屈辱感が彼女の全身を圧している。まさに負のオーラ。
 彼女はまるで心を持ったロボットのようだ。オリンピックがくるのが初めて待ち遠しくなった。見るかどうか分からないが。
 佐々木みき選手が尾藤イサオさんに似てるなと思い、2chをのぞくと同様の書き込みがあった。少し残念。





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